一難去ってまた一難

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アルデヒドを発って2日後、フェイトたちは重要都市エルテルに到着した。 数々の研究所が並ぶエルテルはフェイトも2年振りであった。 「まさかまた来るとはな」 入り口まで来てフェイトは呟く。 入って直ぐの大通りの向こうに約100階建のビルが見えた。 その建物がエルテルの役所でもありエルテル最大の研究所、ハーバーである。 フェイトたちは真っ直ぐにハーバーを目指して進んだ。 王国騎士の来迎により、大通りを歩いていた人々は皆が驚いていた。 その表情からキメラの脱走がまだ表沙汰になっていないことが分かる。 厳重なセキュリティを抜けてフェイトたちはハーバー内に入っていった。 100階建であるため、フェイトも全ての部屋を把握しているわけではないが取り敢えず目指す場所は分かっていた。 エルテル代表でもあり、ハーバー所長であるボッシュ博士のもとである。 所長室を13階に置いているおかしな男だった。 フェイトの検査を担当したのもボッシュであるため面識はある。 「よくお越しくださいました、ヒッヒッ!」 語尾に不快な笑い声を加えるのがボッシュの話し方だ。
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