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《フェイト!貴様何をしている》
《ワシの言うことが聞けんのか!》
《パイオニア風情が図に乗るでない。周りを見てみろ、お前が特別な時代は終わったんだ》
違う
俺は特別じゃない
《上司に従うことも出来のかこの若造が!》
「黙れ!」
「キャッ!」
突然体を起こした少年に近くにいた少女は驚き、声をあげる。
少年は辺りを見渡す。
短い銀髪の下から見れる景色はいつも通りの自室。
いや、本来は自分だけの部屋であり少女など本来はいないのだが。
「大丈夫ですか?うなされていたようですが?」
少女はベッドの上に乗っかり、少年に近づく。
朝日が反射してきらびやかに光る長い黒髪。
少女は腰近くにまで延びている髪を軽くかきあげる。
どこか清楚な雰囲気を醸し出す容姿。
細く、色白な肌が髪の色とのギャップでより少女を美しく演出させていた。
「おはようございます、姫様。早速ですが1つ、質問しても宜しいですか?」
少年は少女の顔を見て少しため息混じりに言った。
少女は何やら真剣な話だと感じたのか、ベッドの上で正座していた。
強く、何かを訴えるような眼差しで少年を見詰める。
「私の身分は一端の王国騎士。貴女の身分はエデン国第一王位継承者。OK?」
わざわざ敬語を使い、相手を優しく説得するような素振りを見せる少年。
だが実際は相手の行動にただ呆れ、思わず敬語になってしまっただけであった。
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