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少年の言葉を聞いた少女は顎に人差し指を当て、何やら首をかしげて思考を始めた。
その姿が何とも愛らしく、いとおしかった。
やがて少女は納得したのか、手を戻して数回頭を縦に振った。
「それがどうかしたんですか?」
「その第一王位継承者が一端の騎士の部屋に朝っぱらから何のようです?」
身分の差から言えば王国騎士が王族と個人的な会話をすることはまず不可能である。
更に少年はどうみても16、7歳にしか見えなく、王国騎士としてもまだ若手の人物であろう。
「フフフ、敬語のフェイトってなんかおかしいです」
そこで笑うのか。
会話のキャッチボールが出来ていないことを認識した少年、フェイトはため息をつく。
心境的に言えば朝にこの様な可愛らしい少女に朝起こしてもらうのはため息をつくことではない。
寧ろ大歓迎だ。
だが少女は王族という身分であるため、そう喜んでも要られない。
「私が来たら迷惑ですか?」
「そうじゃないが。…………いや、結果的に迷惑か」
フェイトは手を振って少女に降りる様に促した。
少女が乗っかっているとフェイトがベッドから降りるのが不可能だったからだ。
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