一難去ってまた一難

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「レノア。お前が会いに来くることで何が起きると思うか考えてみろ」 敬語をやめ、同年代と同じような口振りでフェイトは言った。 少女、レノアは再度顎に人差し指を当て考え始める。 どうやらそれが少女の癖のようだ。 「こうなるんだよ」 フェイトが言葉を告げると同時に部屋の入口の扉が激しい音と共に揺れた。 通常はこれをノックと言うが、もはや扉がぶっ壊れそうな勢いである。 「フェイト!貴様レノア様をどうするつもりだ!」 扉越しの━声からして中年の男は部屋の様子を見ないで勝手に決めつけていた。 別にフェイトが何をしたというわけではないが、こういう場合身分が低い方が全ての責任を負わされる。 「仕事熱心のじいが俺の部屋の扉を壊そうとするってこと、OK?」 目の前の状況を敢えてフェイトは説明した。 少女も手を叩き、納得した様子だった。 「そもそも、鍵がかかっているのにどうやって入ったんだ?」 フェイトはノックを完全に無視して会話を続けた。 事実、この様な状況は多々起きているため扉は既に10回は壊れている。 「どうやってと言われましても、ちゃんと鍵を開けて入りました」 「鍵を開けた?」 王族じゃピッキングの教育をしてんのか? 茫然とするフェイトにレノアは最も凄いことを言ってのけた。 「フェイトの部屋のスペアキーを持っているんです」
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