一難去ってまた一難

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そんな濃硝酸など準備しているわけないのでフェイトはスペアキーをベッドの上に放り投げた。 ロッカーを開け、王国騎士の正装を身に纏う。 正装と言っても甲冑のような鎧はしたっぱのが身に付けるものであり、フェイトはすでにそこの一戦は越えていた。 フェイトの所属隊は王国騎士の中でもエリートのディバイン使いが所属する部隊である。 隊員にはそれぞれ専用のコートが配られていて彼らはそれを常に着用する。 フェイトも自分専用の赤いコートを身に纏った。 これを着れば文句を言う奴らは一掃できるし、下に何を着ても大丈夫であった。 だが自分よりも階級の上の上司は完全にフェイトを目の敵にしていた。 パイオニアとして王国に招かれたフェイトは厚い歓迎を受け、騎士になった。 当然それを良く思わない輩もいるわけだ。 フェイトの部隊は特別で、隊全体で行動することは滅多にない。 仕事としては他の隊の補佐という役割である。 そのため、フェイトたちは派遣先の隊長の命令を少なからず聞かなくてはならなかった。 それが元でフェイトは派遣先での衝突が耐えなかった。
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