一難去ってまた一難

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手柄を欲しがる隊長との衝突は日を増して激化していった。 性格としてはフェイトは積極的な方ではないが馴染みやすく、騎士の中でも評判だった。 だが隊長との衝突により、他の隊員は簡単にはフェイトに声をかけられないでいた。 もしその場を隊長に目撃された時が恐ろしいからである。 フェイトもそれを理解していたため、自分からは全く物事に関わろうとしなかった。 部屋を出て食堂に着いた。 朝食時を過ぎたのを見計らったため、大きな食堂は閑散としていた。 時間帯的にほとんどの者たちが自分の任務についている。 「よぉフェイト。そろそろ来る頃だと思ったぜ」 料理を注文するために近寄ったカウンターで声をかけられる。 振り向くとそこには筋肉質のガッチリとした男がカウンターから身を乗り出していた。 白を基調とした料理人の服装だったが、それがなければ漁業でもしていそうな親父だった。 口の周りの髭に少し白髪が混じっていたため50半ばぐらいであろう。 「いつもの出来てる?」 「おうよ!このガバニーニ様が作った、特性モーニングセットよぉ!」 大きく口を開けて笑うガバニーニ。 「モーニングセットに特性も何もねぇだろ。まぁ頂くよ」 フェイトも軽く受け答えをする。 年は40は離れてるであろう2人だが会話は完全に同世代のものだった。 そこからでもフェイトがいかに周りの人々から愛されているかが分かる。
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