Meet a person again

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青空を見上げながら数分前を回想する。 先輩は、どうやら俺の事を覚えていないらしい。 忙しいところを呼び止めたら、第一声が「誰ですか?」だ。 仕方はないけれど、ヘコみました、はい。 それでも、いつかは……。 ・・・・・・・・・・ 数日後。 かなり暑い中で、部活をしている俺達。 まぁ、俺は筋トレ。 友紀先輩がちょくちょく様子を見に来てくれる。 他の先輩や、同級生は弓で練習しているし、まぁあれだ…2人きり。 幸せなんだよなぁ。暑いけど。 「先輩?」 「な…なにっ?」 この数日で分かった事。 彼女、初対面の人や慣れていない人に話しかけられると緊張するのか、台詞をかむ。 他の先輩と話すときは、やたら男勝りで饒舌なのに、俺と話すときはやたら丁寧。 まだ入部して数日しか経ってないからだとは思うが……。 出来ればこの溝を埋めたいと思う。 「友紀先輩」 「ん?」 「可愛いっすね」 「……へ?」 先輩がきょとんとする。 顔がだんだん赤くなってくる。うん、可愛い。 「そのタオル」 オチを付けてみた。 「あ、うん……可愛いでしょ」 丁寧に返事を返してくれるいい先輩だった。 顔は赤いままだけど。 どうやら赤面症でもあるようだった。
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