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三学期になった。
まだ肌寒く、雪が僅かに残っている。
二学期に今年度最後の学校行事である学祭も終わり、雪が降りあまり部活ができなかった冬休みも終わり…………そして今、学年末考査期間の真っ只中。
部活動は自粛中だが、俺は部室にきていた。
何故か?
友紀先輩と一緒に勉強するためだ。
「ちょりーっす」
「ちわー」
「始めるか、後輩クン」
「ですねー」
にっこりと、笑いながらドアを開ける友紀先輩を俺は部室の中から出迎える。
てくてくと、俺のすぐ側に座る友紀先輩。座って、ただひたすらにシャーペンを動かす。
たまに質問したりしつつテスト勉強は進む。
2人きりの空間ってことで少し緊張してしまうが……まぁ……嬉しいよな、やっぱり。
「先輩、この訳ってどうやったらいいんですか?」
「…………知らないよ、英語とか。日本人は日本語ができたらいいんだよっ」
「言ってることが滅茶苦茶ガキですね……何歳ですか……」
「16才ですがなにか?」
…………あれ?16才?
今は2月……先輩は高2だから……早生まれ?
そういえば、誕生日知らないなぁ、と俺は一旦勉強の手を止めて友紀先輩に尋ねる。
ちょっとした、好奇心。
「先輩って誕生日いつですか?16才ってことは早生まれですよね」
「うん、3月24日だよ」
「え、マジですか?」
今更か、と言いたげな友紀先輩の顔。
しかし……3月生まれか。ちょっと、驚いた。
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