A fateful encounter

5/5
931人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
ちょっとだけ崇君が気になりつつ、私は受付の仕事をこなした。 何であんな顔してたんだろう? 気になるなぁ……。 これで本当に笑いをこらえてただけだったらかなりヘコむなぁ……。 なんて思いつつ、(台詞をかみながら)受付を続ける。 それにしても正直な話、私には向いてないんだよねー……受付って。 友達に誘われたからやってるけど、私、あがり症だからさ。 仲いい子なら、素の私が出せるんだけどなー……。でも、今から来る人とか初対面の子ばっかりだしなー……。 と、またぼんやり考え事をしていたら不意に肩を軽くたたかれた。 見れば友達が私の前にできた行列を指さして小声で話しかける。 「友紀、つかえてる」 「うわぁっ、ごめんっ」 私も小声で謝ってから受付の仕事を再開する。 うん、一旦集中しよう。 キャラがどうとか考える暇なんか今はないようだから。 しかし、なんだか不思議な雰囲気の少年だったな、崇君…………。 ・・・・・・・・・・ これが私と崇の出会いだった。 しかし、仕事を一通り終わらせた時には、私の頭の中に崇のことなんて欠片も残っちゃいなかった。 私もそれから3ヶ月くらいは崇なんて名前を聞くこともなく、思い出すこともなかった。 しかし、不思議と縁があったようで、私と崇は夏休みが始まるほんの少し前に再会することとなる。  
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!