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OH!キャデラック
会社が終わり駅まで歩いていた
ぷぷぷっ(笑)最悪!何よあのキャデラック!ピンク色に塗装されてるのはいいけど、すげえポンコツで色も褪せてんじゃない
どんなチンピラのガキ乗ってんだか(笑)
私は思わず車の中を見た
『リリィ!待ってたんだ!早く乗ってよ』
コ、コブラ!
何声かけてんだよ、てめぇ!恥ずかしい~
私は無視して走った
コブラは車であっさり私をさえぎった
『なによ!あんた足は?』
『今日、ギブスとれたんだ~でも運転は問題無し!早く乗ってよ』
まわりは私達をじろじろみてるし、私は慌てて車に乗った
コブラは満足そうに車を走らすと、私に箱を渡した
『リリィ、これ好きだろ?』
中をあけると薔薇の形をしたピンクの角砂糖が入ってた
『いつもコーヒーや紅茶は花の形の角砂糖だから。部屋のもあまりなかったから病院帰りに買いに行ったんだ』
コイツ…よくみてんな
『ありがとう。でも足治ったんなら出ていってよね』
『う~ん、ゴメンネ(笑)それできないんだぁ』
にんまり笑ってコブラは私を見た
『なんでよ!何決めてんのよ!』
『だってね、あのマンションの一年分の家賃払っちゃったんだよね(笑)これ領収書』
とコブラは私に一枚の紙を渡す
確かに…
私は携帯で大家さんに確かめた
『婚約者の方からきちんと頂いてますよ!』
はあああ?!
『ホントでしょ?だからさ、俺追い出すわけにはいかないだろ?食事も掃除もちゃんとするから、置いてよね』
コブラ…お前いったい何者なんだい?
ピンクのキャデラックは街を走り抜けてゆく…
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