OH!キャデラック

1/11
前へ
/53ページ
次へ

OH!キャデラック

会社が終わり駅まで歩いていた ぷぷぷっ(笑)最悪!何よあのキャデラック!ピンク色に塗装されてるのはいいけど、すげえポンコツで色も褪せてんじゃない どんなチンピラのガキ乗ってんだか(笑) 私は思わず車の中を見た 『リリィ!待ってたんだ!早く乗ってよ』 コ、コブラ! 何声かけてんだよ、てめぇ!恥ずかしい~ 私は無視して走った コブラは車であっさり私をさえぎった 『なによ!あんた足は?』 『今日、ギブスとれたんだ~でも運転は問題無し!早く乗ってよ』 まわりは私達をじろじろみてるし、私は慌てて車に乗った コブラは満足そうに車を走らすと、私に箱を渡した 『リリィ、これ好きだろ?』 中をあけると薔薇の形をしたピンクの角砂糖が入ってた 『いつもコーヒーや紅茶は花の形の角砂糖だから。部屋のもあまりなかったから病院帰りに買いに行ったんだ』 コイツ…よくみてんな 『ありがとう。でも足治ったんなら出ていってよね』 『う~ん、ゴメンネ(笑)それできないんだぁ』 にんまり笑ってコブラは私を見た 『なんでよ!何決めてんのよ!』 『だってね、あのマンションの一年分の家賃払っちゃったんだよね(笑)これ領収書』 とコブラは私に一枚の紙を渡す 確かに… 私は携帯で大家さんに確かめた 『婚約者の方からきちんと頂いてますよ!』 はあああ?! 『ホントでしょ?だからさ、俺追い出すわけにはいかないだろ?食事も掃除もちゃんとするから、置いてよね』 コブラ…お前いったい何者なんだい? ピンクのキャデラックは街を走り抜けてゆく…
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1265人が本棚に入れています
本棚に追加