②感

2/2
前へ
/20ページ
次へ
朝。 家に帰る。 高速道路を走る車の中。 外はまだ闇が支配する時間。 雨が降って止んだ。 繋ぎ目のせいで規則正しく揺れる。 外を何か考えながら ただ眺める。 窓の外では 車に張り付いた水滴が流れてく。 外はまだ夜だ。 だけど 『明けない夜は無い』 なんて、誰かが言った台詞を 思い出した。 気恥ずかしい言葉… 青春ってなんだろぅか? 空の雲が段々と白く色付く。 車は丁度、河川に掛かる橋の上。 視線を上げると いつの間にか顔を出した太陽が見える。 何も考えずに ただ眺める。 太陽の色に染まる川の水。 光り輝く水滴。 流れて行く車の影。 靄(もや)に包まれたビル群。 … 朝だ。 夜の帳が上がり また、歴史は更新されて、 過去の自分が増えていく。 ただの朝だ。 いつも通り。 何もかも… 水滴は光り輝く。 目の前の雫に焦点を合わせると 雫の中の世界が見えた。 中の世界は 総てが逆様だった。 下に昇る太陽。 …綺麗だ。 目の前の景色に心奪われる。 しかし、 流れて消えた。 太陽が昇る。 辺りを明るく照らす。 家に帰る車の中。 帰って一眠りしたら また、夜が支配する時間…
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加