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朝。
家に帰る。
高速道路を走る車の中。
外はまだ闇が支配する時間。
雨が降って止んだ。
繋ぎ目のせいで規則正しく揺れる。
外を何か考えながら
ただ眺める。
窓の外では
車に張り付いた水滴が流れてく。
外はまだ夜だ。
だけど
『明けない夜は無い』
なんて、誰かが言った台詞を
思い出した。
気恥ずかしい言葉…
青春ってなんだろぅか?
空の雲が段々と白く色付く。
車は丁度、河川に掛かる橋の上。
視線を上げると
いつの間にか顔を出した太陽が見える。
何も考えずに
ただ眺める。
太陽の色に染まる川の水。
光り輝く水滴。
流れて行く車の影。
靄(もや)に包まれたビル群。
…
朝だ。
夜の帳が上がり
また、歴史は更新されて、
過去の自分が増えていく。
ただの朝だ。
いつも通り。
何もかも…
水滴は光り輝く。
目の前の雫に焦点を合わせると
雫の中の世界が見えた。
中の世界は
総てが逆様だった。
下に昇る太陽。
…綺麗だ。
目の前の景色に心奪われる。
しかし、
流れて消えた。
太陽が昇る。
辺りを明るく照らす。
家に帰る車の中。
帰って一眠りしたら
また、夜が支配する時間…
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