全てをあなたに

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何かを納得したかのように笑っている幹靖さん。 その顔を見て俺は苛つくだけだった。 「一体何なんだよ?」 「君の本性を暴くための行動さ」 「そんな事をして何の特になるんだよ?」 「それが恵と妃芙美さんの望みだからだよ」 「望み?」 「つまり芝居だったのよ。君の地を出すためのね」 「私の全てを知ってもらうためにあなたの全てを知りたかったの」 どことなく現れた恵さんだが驚きはしなかった。 「それじゃあ…家を継いでもらうと言う話は…」 「嘘よ。お父さんは無理強いはしない人だから」 もう呆れる事しか出来なかった。 つまり俺が試されていたのだ。
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