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「思い出した?」
「もうぶっちぎりで」
「じゃあ聞くわよ。なんであの時あんなに強かったの? 鍛練してたって聞いたけど」
そう聞かれ俺は微笑む。
「師匠に言われたんだよ。拳は捨てるなって」
「拳は捨てるな?」
「あぁ。もう10年以上の話だな…」
当時真田を殴った時罪悪感でいっぱいだった。
武術を習っている者には喧嘩などの理由で相手を傷つけてはいけないから。
だからその翌日に俺は拳を止める事にした。
でも師匠はこう言ったんだ。
「確かに汚れたのかも知れないがお前は間違った事はしていない」
それを聞いたときは耳を疑ったよ。
あれほどしてはいけないと言ってたことを師匠は間違ってないと言うんだからな。
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