1686人が本棚に入れています
本棚に追加
「留守番を頼まれたんです。お嬢様に」
「そっか。雅は…実家だろ?」
菜穂姉は嬉しそうに頷いた。
「さすが桜雅様。私が認めた殿方です」
何か疲れてくるな…
「帰るよ。雅が居ないのは分かったから」
しかし俺の腕を菜穂姉は掴んで離さなかった。
「どうしたんだよ?」
「分かってるの、桜雅。彼女の気持ちを」
突然昔の口調になり少し動揺する。
「…分かってる、と言いたいけど…本当は分からない…」
「でしょうね。でもこれだけ言っておいてあげる。彼女とあなたは出会うべくして出会った。それを知ってるのはあなたと彼女の両親よ」
「え?」
「時には男らしく当たってみなさい。まだまだ若いんだから」
最初のコメントを投稿しよう!