それは仲間と言う呪縛

2/34

1686人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
二学期。 まだ夏の気候なため、日照りを浴びながら俺達は学校に向かう。 桜の寝坊ぐせはかなりマシになっており、余裕を持って登校する事が出来た。 「あ。おはよう、榊君」 「何かいきいきしたような顔ね」 「そっちの榊さんも素敵です」 ありがとう、と礼を言って席に座る。 隣では毎度の如く恵介がだらけていた。 「あぢぃー…」 「言うなバカヤロウ。せっかく我慢していたのに」 恵介のおかげで暑さが増した気がした。 ついには耐えきれなくなり、俺は下敷きをうちわ代わりに使う。 「そういや夏休みは何してたんだ? 秋葉には会ったが」 「あ~…ちょっとね。色々忙しくてさ」 「何だよ…俺には言えない事なのか?」 「その通りで」 まぁ、詮索する気はないけどな。 でも少し気になる。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1686人が本棚に入れています
本棚に追加