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彼は物心ついた時から、この星の歴史を紡ぎ始めた。
それは神々がこの世を作り上げる物語。
だがそれは、私達が知ってるような輝かしくも神々しい英雄譚ではない。
それは 例えば、狂気
ヒトの獣としての在るべき姿で奪い、殺し、犯し、喰いつくす果てにある深淵
例えば、狂信
植え付けられたかのような盲信、
あるときは、神に背く美徳
あるときは、礼賛される背徳
この世全てが神の意思なら、彼等の目の前に生まれるのは阿鼻叫喚の世界。
例えば、崩壊
没落し、脱落し、敗落し、陥落し、堕落し、墜落し、やがては埋没する。
在るべき姿を失い堕ちて行く果てに彼等は、地獄の窯の蓋のような世界を知る。
紡がれる狂気と深淵の世界は、名を変えカタチを変え、歴史の闇へと消えていく。
この狂気と背徳に満ちた世界を
果たして虚飾の産物と嘲笑えるのか…
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