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これまで、どんなに
『ウチは幸せなのよ』
とアピールされたところで
うらやましいなんて思った事がなかった。
それどころか、わざわざそんな事アピールするなんてかわいそうな人たち。
と馬鹿にさえしていた。
だけど、何も言わなくても“雰囲気”で幸せなんだな。
と思う親子を初めて見たのかもしれない。
僕は生まれて初めて他人をうらやましい。と思ったのだ。
“ウチの誠司”くんはこんな母親らしいお母さんがいてうらやましい。
そう思った。
何もウチの母に落ち度がある訳じゃない。
母親としての役目はキチンとしてくれている。
ただ、母親より女の部分が強いだけだ。
春子さんはキレイだし、女の人としての身だしなみも人並み以上だと思う。
でも、やっぱり母親なんだ。
と強く思える。
なんだろう。
これはただの妬みなんだろうか??
それから中学にあがるまで“ウチの誠司”くんとは何回か美容室で話するようになった。
中学になったらピタリと来なくなったけど、
春子さんから毎回話しは聞かされていた。
僕が今の高校に行こうと思ったのは、
“ウチの誠司”くんが受験すると聞いたからかもしれない…
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