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掃除をしようと言えばびっくりするくらいし続ける。
終わりを知らないのだ。
「もういいよ。すごくピカピカだよ」
「そうなの?」
ピカピカと言っても亮治はピカピカと言う状態が何なのか実はわからないようだった。
「これがピカピカかあ」
何もなくなってただっ広くなった室内を見て亮治はそうつぶやいた。
「ピカピカはね。もっといっぱいあるよ」
ただ何もない状態ピカピカだと思われても、それは違うと思って僕は慌ててそう言った。
「そうか。いっぱいあるんだ」
亮治は未知のモノに思いを馳せて笑っていた。
今度、何か手近でピカピカ光るモノを探して持ってこよう。
それからこの秘密基地が僕たちの遊び場になった。
いろんな本や遊び道具を持ち込んだ。
そうしている内に亮治がここで寝泊まりしている事が分かって
僕の母が騒いだ。
亮治のお母さんがこの秘密基地の存在を知って、
「今日はお母さんの大事なお友達が来るから、お母さんが呼びに行くまで秘密基地に行っててくれる?」
そう言って秘密基地に行かせ、平気で次の日の昼頃まで向かえに行かない事が続いた。
変だな。とまず気付いたのは僕だった。
亮治がいつも秘密基地にいるからだ。
亮治は何も言わない。
でも臭いやなんかでおかしい。とすぐに分かる。
母さんに言ったら、秘密基地の亮治を見て驚愕していた。
「文章、お前は黙ってなさい。母さんが亮治くんを見つけたの。
亮治くんもいいわね。おばさんが亮治くんを見つけたの」
亮治は訳がわからずただ、
「うん」
とうなずいた。
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