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「そいつさ、昔っから泣き虫のくせにいじはるんだよなぁ……。んでさ、俺の家のトイレで一人泣くんだよ。ったく、人様の迷惑も考えろってんだ。」
懐かしむように陵が少し笑う。
「……り、陵……それって……。」
私の言葉を無視して陵は話を続けた。
「俺さ、そいつのこと大切にしてやりぃてぇって本気で思った。そいつが俺の初恋で最後の恋にするってそいつと約束したんだ……。じゃぁ、そいつ…何ていったと思う?」
初めて陵が私に目を合わせてきた。
そして、優しく微笑みかけ言った。
「『私も陵のこと好きっ!!ずっーと一緒だよっ!!』だってよ」
私はいつの間にか大粒の涙を流していた。
だって……、陵の『そいつ』は紛れもなく『私』だったから……。
「なぁ……。叶夢……。あの約束覚えてる?」
「あ……たりま…えじゃ……ん」
泣いていたので、うまく言葉を発することが出来なかった。
「そっか……。」
安心したのかまた微笑む。
「ま……え…置き……長い……よ」
「ばっ!!しゃーねぇーだろぉっ?!か、叶夢が覚えてるのかわかんねぇかったんだから!!」
「うん……。好き」
「俺は、世界一好き」
「じゃぁ、私は、宇宙一っ!!」
「じゃぁ、ってなんだよっ!!俺は銀河一だっ!!」
幸せだった……。
陵も同じことを考えてくれてたなんて……。
私は、この時陵を世界一大切にしようって思った……。
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