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私と陵、そして汰貴の三人は家の中へと入っていき、二階の私の部屋へと向かった。
「ねぇ~。奈央(ナオ)は?」
ちょうど階段を五段くらい上がったところで二人に聞いた。
「そういや……。奈央のやつどうしたん?汰貴知ってる?」
「ん~。なんか母ちゃんに説教くらってるって。俺んちに電話してきた。」
先に私の部屋の前までたどり着いていた汰貴が振り向きながら言った。
「説教?何したの奈央……。」
やっと私も部屋に着き、ドアを開けた。
「そんなんどーでもいいじゃんっ!!早く食べよぉぜっ!!」
陵が二人をせかし、部屋へと引っ張る。
「痛ってぇなぁ~。前、小テストあったじゃん?あれ、0点だったんだって」
陵に引っ張られながら、汰貴が言った。
「れ、0点っ?!」
私と汰貴は、陵に部屋に敷かれているカーペットの真ん中の丸テーブルの前に座らされ、私は驚いた。
「眠かったから、寝たら0点になったんだって。いつの間にか、制限時間過ぎてて……。って電話で言ってた。」
波瀬 奈央(ハセナオ)は、私たちの幼なじみの一人。
小学校のクラスは、私と汰貴が二組で一緒の組。
陵は三組。
奈央は一組。
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