記憶の断片

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  「今朝、どこから見てたの?」 「ぼ…"私"は…」 「普通に話していいですよ。」 気取られてもあたしが困る。ただ話が聞きたいだけだから普通に知ってること全て話してほしい。 朱里はしばらく辺りを見回すと意を決したように話しはじめた。 「…僕は…未羽瀬様が階段で足を滑らせてからです…慌てて駆け寄ろうとしたら田宮様がいらしたので…」 「あたしは本当に足を滑らせたの?あたしの背後には誰もいなかったんですか?」 「お見受け致しませんでした。」 嘘でしょ…? 第三者がそう言っているから、あたしは勘違いをしているの…? 「あたし…誰かに背中を…」 「……?」 「…いえ…」 あたしの言うことはきっと、他人が聞けばおかしく思われる… だからひとりで調べなきゃ… .
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