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一一一キーンコーン…
「…では、今日の授業はこれまで。次回は来週の火曜日だからしっかり予習復習をしておくように。」
「はい、ありがとうございました。」
「一一一」
先生に挨拶をして長い長い2時間の授業を終えた。
…最悪、最悪、最悪……
今まで受けていた教室を出て陽奏はずっと頭を抱え込んでいた。
あの日もあたしは授業について行くのに精一杯だった。
黒板を写している途中でも躊躇無く消し、新しい文字で埋めつくしていかれる授業。たくさんのプリント…
あの日は初めての授業で、しょうがないけれど…また同じ授業を受けてるんだから大丈夫だと油断していたのが悪かった。
自己嫌悪で頭を抱え歩いていると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「未羽瀬さん!」
「…?」
ゆっくり振り返ると総太郎が走ってきた。
あの日も彼は追いかけて来てくれたのだった。
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