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「こんなにも莫大な保険金が転がり込むなんてラッキーですよね」
と不謹慎なことを言っていたら、頬が少し濡れてしましました。
はて、両親の呪いでしょうか。
そんな話を面白可笑しく捉えても悲しいのは悲しいなのだなと濡れた頬を服の袖で拭きながら改めて実感した僕でした。
◇ ◇
「いってきます」
真新しい桜ノ宮高校の制服に身を包み、天宮家をあとにしました。
朝日をバックに桜ノ宮高校を歩きながら、これからの学校生活を考えてみました。
青春……。
やはり青春といえば高校にかぎります。
高校はなにかとイベントごとがあるからです。
例えば……。
長い長い坂道の上に女の子が一人立ち尽くして、立っているだけかと思いきや、いきなり「あんパンッ!!」と独り言をきっかけに仲良くなったり。
何も変哲のない交差点で食パンをくわえた青い髪の女の子に鉢合わせしてパンツがちらりと……など。
上記のようにイベントがあるのです!!
そんなイベントをこなし、卒業式で号泣するのが僕の夢でした。
とまあ、まいどりーむについてフヒヒと想像していたら、「あんパンッ!」とも言われず、青い髪の女の子にも鉢合わせせずに桜ノ宮高校についてしまいました。
このとき僕はいるかも分からない神に殺意を覚えました。
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