ドレミ團

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  赤い靴   - - - - -   教会の鐘がなり お茶の時間を知らせる午後 赤い靴をはいた少女は 街のはずれで 自由を求め さまよい歌いつづける あやつり人形と出会いました。   太陽は うそをすべて照らしだすように 風は はるか異国のうわさをささやき 赤い靴をはいた少女は ある日 街はずれで あやつり人形と出会った   自由を求め さまよい唄う 声はりあげ 唄いつづける 赤い靴をはいた少女は 自由はいったいどこにあるの 尋ね   影にだかれ 影をなくし 星の涙 影にかくれ この世が夕暮れに染まる前に ぼくは ぼくは 翼 広げ   風のささやき 耳をかたむけ 遠い異国を夢見 この世の果てまで夢は逃げてく 「サヨナラ」だけ おきざりに はるか かなたの 遠い異国に 僕は自由を夢見 はるか かなたの 遠い異国に 理想の世界 描いていた   赤い靴をはいた少女は 「私の持っているこのなんでも切れるハサミで あなたをあやつっているその糸を切ってあげましょうか」 といい人形はたいそうよろこんで 「お願いします。このじゃまでじゃまでしょうがない糸を いますぐたち切ってそして僕を自由にして下さい」 といいました。 やがて人形は自分をあやつる糸をなくし 永遠の自由を得ると同時に 永遠に動かなくなってしまいました。  
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