190人が本棚に入れています
本棚に追加
赤い靴
- - - - -
教会の鐘がなり お茶の時間を知らせる午後 赤い靴をはいた少女は 街のはずれで
自由を求め さまよい歌いつづける あやつり人形と出会いました。
太陽は うそをすべて照らしだすように
風は はるか異国のうわさをささやき
赤い靴をはいた少女は ある日
街はずれで あやつり人形と出会った
自由を求め さまよい唄う
声はりあげ 唄いつづける
赤い靴をはいた少女は
自由はいったいどこにあるの 尋ね
影にだかれ 影をなくし 星の涙 影にかくれ
この世が夕暮れに染まる前に ぼくは ぼくは 翼 広げ
風のささやき 耳をかたむけ 遠い異国を夢見
この世の果てまで夢は逃げてく 「サヨナラ」だけ おきざりに
はるか かなたの 遠い異国に 僕は自由を夢見
はるか かなたの 遠い異国に 理想の世界 描いていた
赤い靴をはいた少女は
「私の持っているこのなんでも切れるハサミで
あなたをあやつっているその糸を切ってあげましょうか」
といい人形はたいそうよろこんで
「お願いします。このじゃまでじゃまでしょうがない糸を
いますぐたち切ってそして僕を自由にして下さい」
といいました。
やがて人形は自分をあやつる糸をなくし
永遠の自由を得ると同時に
永遠に動かなくなってしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!