⑦しばしの別れ

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「今日、何月何日? 朝? 昼?」 私は、聞きました。時間が一番、知りたかったからです。 さすがに夜はないと、私でも分かりました。 空が暗くないからです。 「それが、私たちにも分からんのんよ……時間なんて、分からんくなるもんなんじゃね」 サチちゃんと、町子ちゃんは顔を見合わせます。 「なぁ、京子ちゃん。この姉ちゃんたち、誰?」 ふと、私の耳元に小声で質問されるのが聞こえました。 正造お兄ちゃんです。 弘治お兄ちゃんも気になるのか、チラチラ見ています。
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