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そして人々はみな
両家の子供を
微笑みながら見ました。
するとキラキラとした
光が降ってきて
妖精の姿に変わりました。
薔薇の妖精です。
「なんと良い子達でしょう」
薔薇の妖精はいいました。
「実は発表があるんです。
わたくしの子供達は
婚約することになりました。」
町の人々は聞いて
大喜びになりました。
薔薇の妖精は
「わたくしから贈り物を
授けましょう!
これ以上ないものを
フォント家のあなたには美を……」
すると妖精は杖を振りました。
「栗色に輝く髪に
薔薇の唇を
その美しい歌声は
花々を咲かせ
その優雅な振る舞いは
春が訪れたように
輝きに包まれるでしょう」
次に妖精は
「ザンビアニー家のあなたには勇気を」
そういうと杖を軽やかに
振りました。
「燃えるような勇気と
どんな困難にも負けない
力強さ、忍耐
それらをもつあなたには
あらゆる敵も敵わないでしょう」
すると甘い香りと共に
リラの妖精が訪れました。
「可愛いお子様達に
わたくしから贈り物を……」
そう言ったとき
急に火山が爆発したのです!
けたたましい音に
人々は驚きました。
すると大理石の床の真ん中が
燃えてその火の中から
黒と赤のドレスを
身にまとった
美しい女性が現れました。
「ボルケニアだわ!!」
そう薔薇の妖精は叫びました。
「ずいぶんと幸せそうなこと!!
わたくしからも
贈り物をいたしましょう!」
ボルケニアはなにか
意味ありげな微笑みを
浮かべていいました。
「よくお聞き!!
お嬢様にご子息様は
皆に愛されて育つでしょう
しかしわたくしの呪いで
二人は20才の誕生日に
それぞれ死ぬだろう
あっははははははは」
そう笑いながら言うと
杖で呪いをかけました。
「悪魔払いを!!」
そう両家は言いましたが
司祭達はあまりの魔力に
太刀打ちできません。
ボルケニアは
再び火の中に消え
火を消えました。
するとフォント家の
母親が叫びました。
「大変だわ!!なんてこと」
「どうしたんだ!」
「この子男の子だわ!!」
辺りは一気に静まりました。
「なんだと!!」
「医師が間違えたんですわ
どうしましょう!
婚約だなんて!!!!」
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