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それから無言で傍にいてくれる西本の存在が、俺に安心感を与えてくれた。
俺は、友達と居る時の沈黙や無言って嫌いなんや。
なのに、この居心地の良さはなんやろ…
すごく落ち着いた。
今は1人が嫌だった。
皆と生活してからずっと嫌だった。でも、今日はいつも以上に我慢ができなかった。
毎日毎日、いつか一人になる日が来るような気がしていた。
皆が売れれば売れるほど…テレビに出て人気が出るほど不安だった。
嬉しいはずなのに、みんな近くにいるのに…
だんだん離れて行きそうで…
みんなと俺は住む世界が違いすぎて、俺はいつも疎外感を感じていた。
そして…
俺の知らない人と居るヒナの写真。キスしてないと信じているなんてきっと嘘…
していても仕方ないと思っている。信じてるの言葉とは裏腹の自分がいる。
でも、俺は聞ける立場ではない。それに、ヒナは俺だけのモノではない。
最近特にそう感じる…
皆がこの家に帰ってくる。ヒナが傍にいる。それだけで安心していた。
だから、帰ってこない日は不安に襲われる。まして今日はヒナの声も聞けなかった。
かかってきた電話に出るのも怖い…
本当にヒナなん?
声が聞きたいのに…出られなかった。
俺は本当に弱い。
自信がないんや…
自分の気持ちなんて…まして我儘なんて言えるわけない。そんな事したらいつか捨てられる。
一人になるとそんなことばかり考えるんや…
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