困惑せし魂は語る

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途上国の少女 神様… いと高き天上の父よ 私は知っています 貴方が奇跡を起こす事が無いことを どんなに祈っても それが報われる事なんて無いことを 幸も不幸も 貴方はお与えにはならない 神様… 貴方は何を考えておられるのでしょう 人を正そうとせず 罰しもしない 混沌がお望みですか 必死に縋る貴方の民を 見ているだけですか 神様… いと高き天上の父よ 貴方は何の為に在るのですか 私は 貴方など必要ありません 貴方の教えを信じ 祈る人々が飢えや病気で死んでいく事に 何も感じませんか 慈悲をお与えくださる気にはなりませんか 何もしてくださらないのなら 何故、祈れなど仰るのですか 何故、貴方を讃えなければ いけないのですか 人々の絶望を知っても 貴方は心動かされる事は無いのですか 貴方はただ平等に見守るのですか 貧しい者を潤そうとはせず 苦しむ者を癒そうとはせず 見守るだけなのですか 神様… いと高き天上の父よ 私には 貴方など必要ありません
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