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トラウマ
この体の傷が消えたとて
この心の疵が
癒えた訳じゃない
ずっとずっと
痕に残る小さな綻び
ふとした瞬間広がって
痛みと苦しみ
絶望の穴
孤独が苛む胸の鼓動
幾ら昔になろうとも
忘れられない事もある
独りにされるのが怖い
けれど
人といるのも怖い
それは無視されていた
孤立のせい
それは集団が敵になった
恐怖のせい
残る疵痕は
不安を蒸し返す
いつになったら忘れるの
どれだけ時を掛ければ
私は変われるの
体の傷はもう無いのに
心はまだ涙を流す
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