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「マーサ、あなたはこれからハイネさんに街を案内してあげて。何でも探し人がいるんですって。くれぐれも失礼のないようにね」
はぁい、と気の抜けた返事をするマーサ
「ハイネさん。彼女はマーサ・オミルナ。うちの使用人でたぶん一番馴染みやすい子だから。街の事は彼女に聞いてね」
断ってまた話がこじれるのも面倒臭いのでハイネは二つ返事で彼女の提案を了承。
いざとなったら少女の一人程度簡単にまく事ができると考えてその場は流された。
マーサに先導されるがままに部屋を出ると、大きな長机のある部屋へ案内された。
裕に20人は食事ができそうなそこには既に一人の男が立っていた。
「……玄関には見えないが」
「三日も眠ってらしたんですよぉ。まずは食事にしなきゃ、です」
マーサは可愛らしくウィンクすると一番手前にある席を引いてハイネに座るように促した。
「そこまで世話になるわけには……」
「いいからいいからです。レイシアお嬢様はハイネ様にお食事をさせるために起こしに行ったんですよ」
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