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それでも、当初は「運命を変える」「忌々しい筋書きを、俺の手でねじ曲げなくては」という類いの使命感のようなものを持っていた。
しかし、いつからかそれが「せめて記録の最後に散ってゆく彼一人でも助けられれば」という個人的な感情に変わり、「不幸にも、桜井の双子の片割れとして生まれついてしまった彼こそが、彼だけが救われればいい」仕舞いには、心の中でそう繰り返すようになっていた。
まるで、そう思う事が当然であるかのように。
だからこそ、この独りよがりな考えこそが『呪い』故であるのだと、この時俺はまだ気づけずにいたのだ。
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