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握りしめた拳をゆっくりとおろして、俺は周りを見渡す。
「……誰も……おらん、か………」
いるはずがない
傷付くのが嫌で、心のどこかでずっと自分に言い聞かせてた。
輝く夜空に背を向けて、街に戻ろうとした時
不意に頬に冷たいものが当たった。
「ひゃあ!?」
自分でも間抜けな声を出した、と思った。
急いで振り返ると、そこには
「───ケンちゃん…!!」
あの笑顔で
冷たい缶コーヒーを持ったケンちゃんが立っていた。
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