老犬が

4/5
前へ
/51ページ
次へ
(すみませんがここから出して頂けませんか?) 僕は必死で念を送ります。 老犬は何度か顔を近付け匂いを嗅ぎ、それから僕の耳を噛み、土から引き抜きました。 片方の耳はほつれてしまいましたが、僕はなんとか木の下から出る事に成功したのです。 (ありがとうございます) 僕が老犬にお礼を言うと老犬は (君が桜を咲かせたのか?) と訊いてきました。 その目線の先には僕のお腹の桜の模様があったのです。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加