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しかし僕は桜の精でも守り神でも守護霊なんかでもありませんから違うと言いました。
(そうか)
一言そう言うと老犬は、しばらく桜をしみじみと眺めてから、去って行ったのでした。
僕は老犬の後ろ姿を見て
(まりちゃんを探す手伝いをしてくださいませんか)
と必死に呼び掛けましたが、耳が遠いようでそのまま行ってしまいました。
僕は一人では動けないのです。
まりちゃんを探すには動かなくては探せないのです。
僕はずっとその辺りに念を送り続けました。
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