*嵐を背負った来客者

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すぐさま我に返った華は立ち上がった。 「私…ベルを捜さないと!!」 「もう見つけた!!」 お尻をはたきながら立ち上がる棗を華は驚いたように見つめた。 「見つかったの?」 「うん。 ベルはすぐに見つかったけど、ベルを捜しに行った華がなかなか見つからなくて捜してたんだ。」 どうやら、華は捜す人から捜される人になっていたらしい。 「華、疲れただろう? 僕の部屋に行こう。そこにベルもいる。」 「うん」 まだドキドキしてる… 変よ…11歳の子供に…… 迷路の様な入り組んだ廊下を、棗は進んで行く けれど時折、後ろを向いて華を確認するのだった。 「華……手繋いで?」 「え!? どうして?」 「不安なんだ…。華がまた迷子に…僕の側からいなくならないように…しっかり繋いでおくんだ」 差し出された棗の手を華はしばらく見つめる。 迷子になんかならないよ… 着いて行ってるんだから… 「華…」 「………うん」 そう心の中で文句を言いながらも、華は棗の手を握った また高鳴る心臓に華は気付かない振りをして歩くのだった。
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