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「坊ちゃんいけません。お行儀が悪いですよ!?」
連れ戻そうとする北村の手を棗は払うと、スコーンを食べ始めた。
そんな棗の姿を困った様に見守る北村。
その北村を華は申し訳ない気持ちで見つめていた。
「棗くん、やっぱりテーブルで食べた方が…」
「華…僕は華と一緒に食事がしたいんだ。」
棗の真剣な目に、華も黙ってスコーンを食べ始めた。
なんだろう…。
北村さんには申し訳ないけど、凄く嬉しい…かも。
誰かと一緒に食事なんて久しぶり…
「そうだ華!! 食べ終わったら何処へ行こうか!?」
「へ?」
「華の服や靴、他にも華に似合うジュエリーを買い揃えよう!!
あと、華専用の部屋もここに作るから、華の気に入る家具を捜…」
「え…ちょっと棗くん!?」
ペラペラと嬉しそうに今後の予定を語る棗に華は困惑しながら制した。
どういう事?
服や靴やジュエリーとかもだけど…
私専用の部屋?……家具?
華は訳が分からず、オロオロとしている。
そんな華を棗は不思議そうに眺めていた。
北村も、紅茶を入れながら二人の様子を見ていた。
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