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早朝4時…
まだ朝日も眠そうに顔を覗かせようとしている頃…
山に囲まれた小さな家の中、仏壇に手を合わせる女の子がいた。
腰までの長い黒髪、雪のような白い肌、少し垂れ目の大きな瞳には長い睫毛が上を向いて堂々としている。
「お父さん、お母さん、祖父ちゃん、祖母ちゃん…。
おはよう! 私は今日も元気です!!」
仏壇に飾られた4枚の写真。
華は微笑む4枚の顔をしばらく眺めた後、ゆっくり立ち上がった。
華は小学4年生の時までは優しい両親もいて、都会に住んでいた。
その両親が眠る華を乗せて車を走らせている途中、飲酒運転の車と衝突した。
その事故で両親は即死、華は背中に大きな傷を付けたものの、命は助かった。
まだ小学4年生の子供にとって、両親が突然死んでしまったという事実はどれ程ショックな事だろうか。
加害者側の家族に慰謝料を貰っても、何度頭を下げられても、華は亡き両親の部屋で塞ぎ込むばかりだった。
大好きな学校にも行かず、泣き続ける華を救ったのが父方の母親だった。
衰弱しきった華を守り、山の中での新しい生活を与え、今まで育ててくれた叔母…
そんな叔母も、去年の冬に亡くなった。
寂しくはなかった。
華は他の親戚の誘いもすべて断り、叔母の残したこの家で暮らす事を選んだ。
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