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泣いてる……
泣いてる子供…
『怖いよ…一人ぼっちは嫌だ…
助けて……誰か…助けて……』
どうしたの?
ほら、お姉ちゃんがここにいるよ?
『怖い…怖いよ……』
あ…れ……
あの子は……私?
それとも………―
ワンッ!
「Σひゃあ!?……って、へ?あれ…?ここ何処?…あれ?」
華が目を覚ました時、部屋は暗かった。
カーテンの隙間から月明りが射している。
あ…そっか。
ここ、棗くんの家…
じゃあ今、私が寝てるのって棗くんのベッド…?
横たわりながら目を擦っていると、頬に湿ったものが当てられた。
ベルが華の頬を舐めたのだった。
「ベル…ずっとここにいてくれてたの?」
ベルの頭を撫でていると、パッと部屋が明るくなった。
眩しくて、華は頭まで毛布を被せた。
「華…起きた?」
こちらに近付いて来る足音がどんどん大きくなり、ベッドが軋み、華は毛布越しに自分の肩に手の重みを感じた。
きっと棗くんだ…
「うーん…量が多過ぎたか?」
棗の言葉に華は疑問を感じた。
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