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量…?
量って何の…?
そういえば私…家に帰ろうとしてたのにどうしてベッドに寝てるんだろう…
華は毛布の中で視界が歪んだ時から先の記憶を必死に思い出そうとしていた。
けれど、どんなに頑張っても思い出す事が出来なかった。
あの時、棗くんに渡された紅茶を飲んでから体がおかしくなった。
それから急に眠たくなって…
それに棗くんの量が多過ぎたって台詞…まさか……
「睡眠薬!?」
「Σわっ!……びっくりしたぁ」
毛布の中から聞こえた華の声に棗はもちろん、ベルまで驚いて飛び跳ねた。
「華?」
棗が呼び掛けると、毛布がモゾモゾと動き、華が顔を出した。
「おはよう、華!!もう夜だけど…。随分長い事寝ていたな!」
「………睡眠薬が良く効いてたんじゃないの…?」
華にとって、それは精一杯の嫌味だった。
棗はビクッと肩を震わせ、目を泳がせた。
「怒っ…た……?」
棗の問いに華は答えない。
華のそんな態度に、棗は慌てて言い訳を話し始めた。
棗の言い訳オンパレードは続いていき…
「華が悪いんだ…。急に帰るなんて言うから……僕は必死だったんだ。手荒な真似はしたくないから、せめて眠らせようと…」
ついには華のせいになった。
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