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少年の名前は海園寺棗。
世界に名を誇る海園寺グループの御曹司。
年齢11歳。
趣味は土地開発と株。
特技は速読とダーツ。
…今時、こんな11歳がいるだろうか。
座布団の上にあぐらをかき、華の入れたお茶を啜る棗…
あの後、華はとりあえず棗と北村(大柄サングラス男)を家に入れた。
村のみんながぞろぞろと華の家の前に集まり、ざわめく声が聞こえた。
北村は棗の付き人らしく、家の見張りをしてくれている。
「聞きたい事はそれだけか?」
「じゃあ、もう一つ…」
「なんだ!?」
棗は華に質問されるのが嬉しいのか、テーブルを挟み、向かい合わせで座る華の方に身を乗り出す。
「何しに来たんですか?」
「………なっ…!
さ、さっきから言っているだろう。お前を僕の花嫁にするって!! だから僕はお前……華に会いに……」
棗の声はどんどん小さくなり、乗り出した体も後ろに下げてしまった。
泣きそうになっている棗の表情に、華は罪悪感を感じた。
「けど…私と棗…くんは初対面なんだよ?」
「違う!! 僕はずっと前から華の事を知っている!!」
必死に首を振り、華の言葉を否定する棗…。
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