鼓動の絆

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   俺は、すごく動転した。身体も自分で動かせない。     驚いてるのは、優も同じで。口を開けたまま、固まっていた。     なんだよ!どうなってんだ!?    『夏野君、ごめんなさい。私が今、この身体の主導権を握ってるから』      な、なんだって!?もしかして、さっきの夢に出てきた、亜湖ちゃんなのか?  『うん、そうだよ。私、夏野君にお願いがあって……どうしても、聞いてほしくて』     何?お願いって?    『一日、少しの時間でも、いいから、私にこの身体を貸して!お願いします』       えっ!?身体をって……?    『私、16で死ぬまで、両親の言付けを守って、やりたい事、ずっと、我慢してきた……だから、色々と経験したいの』     俺は、亜湖ちゃんの気持ちが、痛い程解った。俺もずっと、みんなと一緒に走りたかったんだ――――。   
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