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クリスマス会にて。
翌日、和臣は一睡も出来なかった。
携帯でメール、電話をしようとしたが、勇気が出なかった。
判っている。
律が自分を裏切ることはない。
それでも、不安が付きまとっている。
和臣は朝風呂をして、ご飯を食べずに家を出た。
食欲が沸かないのだ。
電車に乗り、学校に向かう。
ボウッとしていると、携帯のバイブが鳴り、和臣はポケットから携帯を出した。
メールだ。
しかも律からだ。
『おはよう。一昨日は本当にごめん!反省しているから、許して欲しい。でもって、カズの声が聞きたいよ。』
「・・・・。」
相変わらず、くさいセリフであるが、今の和臣にとっては無意味だった。
帰宅した後、和臣は和音と希を自分の部屋から追い出した後、携帯を手にとって悩んでいた。
メールをするか。
電話をするか。
だが、脳裏には律と杏梨が一緒に歩いている場面が映し出され、指が震えて押せなかった。
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