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「ねえ、孝太はギャルっぽい女は嫌い?」
唐突に投げ掛けた質問に、孝太は少しの間考えてから答えた。
「嫌いってことはないけど……自分とはまるで違う生き物って感じだから……。全般的にはまだ近寄りがたいかな。」
違う生き物。そこまで言われて私は撃沈した。私など眼中にはないってことなのか。目の前が真っ暗になりそうな感覚に襲われそうになった時、孝太が付け加えた。
「でも楓のことは好きだよ」
私は「えっ?」と孝太の顔を見た。しかし舞い上がるのを押さえて冷静になろうと努めた。
違う違う、友達として好きってことだよバカ。うぬぼれてんじゃないよ自分。
とにかく落ち着こう。
「でもギャルは近寄りがたいってさっき言ったじゃん」
「だから全般的にだよ。確かに楓と話す前は楓もそういう存在だったけどさ、話してみるとこんなにも近くなったわけだし。それに実は中身はかなりマジメな点とか、あきらかに軽くはない部分がちゃんとあるって話してるうちに分かったんだ」
気を抜くと泣きそうになった。孝太がそんな風に私をちゃんと見てくれていた事が嬉しかった。
そして私はほぼその場の勢いで、ついに思いを打ち明けた。
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