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孝太の横でうつむいていると、さっきまで腕を掴んでいた大きな手が私の頭を撫でた。
「僕から言い出すつもりだったよ。楓に先を越されたけど」
「……どういう事?」
情けない声でたずねた。だけど私の頭を撫でる大きくて温かい手がすでに不安をやわらげていた。
「楓が好き。つきあって下さ……」
「はいっ」
返事があきらかに早すぎた。語尾にかぶってるよ。思わず2人で笑った。こんなに幸せなことはなかった。
***
つきあってもうすぐ3ヵ月になる。
私達2人はうまいことやっているが、見た目のギャップが激しいカップルの噂はたちまち学年中に広まった。
付き合い始めると一緒に帰ることもよくあり、その時に指をさされているのを見かけることもしばしばあった。
他校の友達のバイト先であるファミレスへ2人で行った時なんて、注文を聞きに来たその友達に「弟?」と聞かれたほどだ。
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