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濡れた瞳を強く開いた。
「…もう一回…。」
「……え?」
「私の名前を呼んで。」
「…一紗。」
名前を呼んだ。
「一紗。」
また、呼べる日が来るなんて、思いもしなかった。
「かずさ…。」
一紗が呟く。
「ありがとう。」
ゆっくりと微笑んだ。
「あたしを知っててくれてありがとう。」
「いや…お礼言われるほどのことじやぁ…。」
「あなたの名前は?」
「圭介。」
「ケイスケ?」
「そう。圭介。」
この言葉を聞ける日が来るなんて、思ってもいなかった。
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