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カラリと晴れ渡る空に刺すような冷たい空気がまだ漂う季節なのに、俺にはその空気が心地良い程体が暖まっていた。
ラスト!と、心中で叫びながら残っていた力を爆発させる。
「っ!」
短く息を吐いてラインを超えると、少し遅れて「嘘!?」と小さな悲鳴が聞こえた。
それに小さく笑いながら振り返ると、信じられないと言った顔の女性がタイムウォッチを片手に固まっていた。
名前はマミ
中学くらいからの友達になった奴で、ボーイッシュって言ったかな…?
男っぽい短めな髪にまだあどけなさを残した顔つき。
高校生になっても色気なんか全くない奴なんだ。
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