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「──ぅ…」
涙目になり始めたマミに、後少しで落ちるな…♪と心身共にニヤリと笑った。
「お。泣くか亀♪泣くな亀♪泣くぞ亀♪ほら、亀泣いた♪ほら、亀泣い──」
「亀じゃないもぉぉおおおん!!!!」
叫びながら脱兎のごとく走っていくマミに、あっはっはっ♪と爆笑していると後ろにいたツカサが「そっち?」と小さく呆れた疑問を口にしていた。
「──って、また泣かしたか…」
少しの間を置いてから口にされたその言葉に、俺は笑うのをぴたりと止めた。
「……。これで良いんだよ」
そう口にする俺に、ツカサはポンと軽く肩を叩いた。
「もう少し真っ直ぐアイツを見てやれ…──後悔するぞ…」
「……」
後悔する、か…
俺はそれを鼻で笑うと、いつものように口を開いた。
「アイツ…。頼むは…」
それだけ口にすると、俺はマミが走り去った方とは違う道に足を向けた。
「はぁ…──自分でも言えよ?」
「気が向いたらな」
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