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隼人は、リュックサックの中から小さな薬袋を取り出した。
「これを飲むといい。少しは体調が良くなると思うから」
少女は怪訝な顔をした。
「別に怪しい薬じゃない。ただの風邪薬だ。」
隼人は袋の中から、緑色の粉を少量すくい、それを口に含む。苦い。そしてそれをお茶で流し込む。
な? 毒なんて入ってないだろ?
「怪しい者じゃない。俺は薬師だ」
少女はしばらく隼人の顔をじっと見つめていた。
「薬師さんでしたか」
そう言うと、袋を受け取り、薬を飲んでくれた。どうやら信じてくれたらしい。
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