がっこう。

16/16
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
しばらく吹いて、低いミまで出せるようになったころ、あけみちゃんのお母さんが 「朱美!ごはんよ!」 とあけみちゃんを呼んだ。 「はーい!」 あけみちゃんはわたしをふくろにしまって、ランくんの中に入れてから、ごはんを食べにいく。 「ランくんランくん」 「どうしたの?」 「どうしてごはんのあとは、わたしをふいちゃだめなの?」 「うーん……」 ランくんはからだを揺らせて考えてくれたけど、わからないらしい。 「人間の世界は難しいんだよ」 としか答えてくれなかった。 「キャラさん」 「わかんないよ!」 む。先を越された。 「人間の世界では、ボクは使い捨てだからね。本当は一生使ってほしいのに。ボクのこともわからないのに、リーさんのことがわかるわけないでしょ?」 一理ある。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!