【7】サプライズ

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【7】サプライズ

~桜燐楼~(おうりんろう) 宴たけなわの頃、トイレから帰ってきた武志が部屋に入ると、秀樹が立ち上がった。 『え~、みんな、ちょっと静かに。実は、この同窓会は、独身者にしか声をかけていないんだなぁこれが。そこで、サプライズイベントを用意したぞ。』 男性陣がざわめく中、女性陣は少し静かになった。 (これが、目的か。まったく。自分へのサプライズじゃないのか?秀樹のやつ・・・) 武志は内心つぶやいていた。 そして、とりあえず、入り口近くのガイドが座っている隣に腰を下ろした。 『あらかじめ、女性陣には、本日の参加資格として、卒業式の日に、我々からもぎ取ったボタンを持って来るようにとお願いしてある。』 男性陣から拍手が上がる。 これは・・・ほとんど合コンであった。 『今から、隣の部屋にこの袋を置く。袋にはそれぞれの男どもの名前が書いてあるので、女性は、一人ずつ隣へ行って、ボタンを持ち主の袋に入れてくれ。』 (ほんとに、こういうことだけは、昔から良く頭の働くやつだ。) 『ボタンには小さく彼女たちが名前を書いてる。ここからが、肝心だぜ。』 幹事さんがもったいつける。 『そのあと、例の「恋人の木」へ行き、そこで、男性陣にそれぞれの袋を渡す。 確か、あの桜の木は、二人の思いが変わっていない証として、花を咲かせるという話しだ。 見事花が咲いたらその二人も、うまくいくかもってことだ。 後はそれぞれに任せるので、どうぞご自由に。』
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